攻防
習字は習っている。
〆切は今日だった。
ちびっ子たちも大勢一緒だが、年輩の方も一緒で、大人と子どもが大きく、座るとこと椅子のとこ半分に別れていた。
だがちびっ子が今日は大半で大人は私だけだった。
座るとこがなく、座るとこに子どもと一緒に座り、
後で来たちびっ子に譲り、椅子のとこが空いたので移動した。
鉛筆の硬筆を隣でちびっ子がやっていた。
ちびっ子たちは走りまわる。
集中、集中。
6文字を6個の枠に入れるのは難しい。
見たこともない画数が多いのがまん中にくるとよけい、バランスがとれない。
水墨画も墨と空白のバランスらしい。
習字もバランスや、空間認識をとわれる。
それも、センスのうちだろう。
ところが、空間認知能力がまるでない。
そして、わたしは筆を渾身の集中力を持って進めた。
震度なんぼやろ?
ガシッガシッガシッ。
集中、集中。
また、ガシッ、ガシッ。
筆横一直線が保てない。気にしない、気にしない。
ちびっ子に声をかけ、
我慢出来ず、机の足の空間に脚を足した。
よし!
ガシッガシッユラユラユラ、
ガシッガシッガシッとの攻防だ。
ガシッガシッは消ゴムで力強く消す音だ。
わたしの気迫にびびったか時に、わたしを気にしていた。
もちろん何もないように振る舞った。
時間はないわ、上手くいかないわ。
冷静沈着に精神統一をはかり筆を進めなければいけないのに3枚書いたのに最後の一枚も下にどど詰まった。
最後と一番最初の半紙を持ち提出したのは、小地震の初めに書いたものだった。
今日はどうも納得がいかん。ちびっ子との攻防だからじゃない。そんなのは言い訳に過ぎぬ。
バランスが取れないからだ。
腐る。
悔しい。
こんちきしょう!
と自分に怒る。
本当は負けるの嫌なのだ。
だけど、いっつも負ける。
ベトベトンのように、
お金持ちの人が敷いているトラのベターとしてるのみたいに、
なる、、、